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目的活動概要来由と理念


〜観光振興と企業誘致を通じた 選ばれるまち「とやま」の創り方〜


議事録

観光PlusB! Vol12 / 2007.03より

写真(40枚)

日 時 2007年2月26日13時30分−16時
会 場 富山国際会議場メインホール(富山市大手町1−2)
主 催 日本貿易振興機構(ジェトロ)、未来観光戦略会議
後 援 国土交通省、富山県、富山市
協 力 北陸経済連合会、富山経済同友会、富山県商工会議所連合会、富山県商工会連合会
富山県観光連盟、立山黒部貫光、ケーブルテレビ富山、高岡ケーブルネットワーク

※ VITとは、
  外国人が富山を訪れるVisit、企業のみなさんが投資するInvest、
  富山は更に魅力的な街にToyamaの略称

第1部 講演(13時30分−14時30分)
第1講 国土交通省総合政策局国際観光課  篠原康弘課長
「なぜ、今観光なのか〜ビジット・ジャパン・キャンペーンにおける地方連携の取組み〜」
   はじめに、安倍総理が出演しているビジット・ジャパンの宣伝ビデオ「ようこそ!美しい国 日本へ」を1分ほどご覧いただきたい。(ビデオ投影)
 ご覧になって分かるように、観光に対する機運が今ほど高まっているときはない。全国での取り組み、海外からの目をご紹介したい。
 わが国の国際観光がアンバランスなのは、ご承知の通り。2006年の日本人海外旅行者は1800万人に対し、訪日外国人旅行者は733万人である。
 観光による経済波及効果を見てみると、2005年度は国内旅行消費額が24.4兆円となっている。この波及効果を分類すると生産波及効果が55.3兆円。付加価値効果は29.7兆円で、GDPの5.9パーセントを占める。雇用効果は469万人で国内就業者数の7.4パーセントに当たる。税収効果は5兆円である。これで分かるように観光の経済波及効果は大きい。
 訪日外国人旅行者が2006年に733万人と言ったが、ビジット・ジャパン・キャンペーンが始まった2003年は521万人だった。毎年順調に伸び、06年度は前年比9.0パーセントの伸びである。
 国・地域別訪日外国人旅行者の割合を見ると、韓国がトップで初の200万人超えの212万人、ついで台湾131万人。中国は81万人で、米国の82万人のほうが多いのだが、追い抜くのは目に見えている。香港が36万人などとなっている。
 ビジット・ジャパン・キャンペーンでは、2010年に訪日外国人旅行者数1000万人達成を目指しているが、今後、年平均8.1パーセント増が必要となる。毎年、毎年が勝負となるということだ。1000万人が達成できれば生産波及効果は5.9兆円となる。
 そこで、ビジット・ジャパン・キャンペーンの高度化のために必要なことは、先ほどの安倍総理のようなトップセールスの実施のほか、海外の旅行会社の招聘による訪日旅行商品の造成支援、海外メディアの招聘によるわが国の観光魅力の広報宣伝活動などが挙げられる。つまり、いかに海外の旅行会社・メディアと組んでやるかということが重要なポイントとなる。
 目標達成に向けたポイントとして「観光交流年」というものをご紹介しておきたい。2007年は日印、日タイ、日加観光交流年であり、日中文化・スポーツ交流年である。この中でもインドは経済発展が著しく、今後観光客の伸びが期待できる。 一方、今年は朝鮮通信使が始まって400周年であり、日中国交正常化35周年である。中国とは2万人を超える交流団を派遣するなど大規模な交流事業が計画されている。
 これは直行便がある19都市に1000人ずつを派遣するもので、中国側からも同程度の規模の交流団がやはり国内に直行便を持つ17都市に派遣される。富山県でもこれから具体的な動きになるだろう。
 中国、韓国のほか台湾も重要な地域だ。立山黒部アルペンルートにも台湾から多くの観光客が訪れているが、さらに利便性を高める法整備がされる。それは台湾の運転免許を持っていればわが国での運転が出来るようになることだ。強い要望があったのに基づいて調査した結果、台湾の運転免許制度がわが国と同等の水準にあると認められたもので、早ければ今秋、遅くとも年内には実施されるだろう。
 富山県におけるビジット・ジャパン・キャンペーンの地方連携事業では、台湾、韓国をターゲットに現地への広告掲載などで立山黒部アルペンルートの誘客を行っている。入込み客数は台湾が7万5216人、韓国が13644人となっている。ほかに富山市、南砺市、飛騨市が連携してゴルフ・自然・伝統文化を活用した飛越の旅の造成事業を行っている。
 昨年12月に観光立国推進基本法が成立、今年1月から施行された。これから関係団体、地方からの意見聴取のあと、5−6月ごろには観光立国推進戦略会議、閣僚会議を経て基本計画が決定されることになっている。
第2講 富山国際職藝学院 上野幸夫教授
「富山の眠れる観光資源 外国人の見たTOYAMA」

「とやま」3大歴史文化遺産の本物の魅力
〜五箇山・菅沼合掌集落、近世高岡文化遺産群、立山黒部〜
   瑞龍寺の復元のために富山に来た。それまで学会でも「北陸には優れた建築物はない」と思われていたのだが、すごいものがあるので驚いた。そこで、瑞龍寺復元をやりながら明治以降の建物も調べるようになり、たくさんの素晴らしいものがあることが分かった。
 それを言うと富山の人は「な〜ん」と否定する。こうして謙遜しながら開発行為が進められてきたのである。
 しかし、ライトレールの整備を機に、岩瀬の立派な町並みを取り戻そうとする動きが出るなど、ようやく地域に根差した文化財を大切にする風潮が生まれてきたので喜んでいる。
 私が富山で驚いたように、幕末から明治にかけて来日した外国人は日本の素晴らしい文化に驚いている。日本人が気付かなかったことを見抜いたのだ。エドワード・モースという人は大森貝塚で有名だが、実は日本の建築の素晴らしさに驚いて本を書いている。
 それまでモースも、「日本は塗装もしない白木の家に住んで」いて、南方と同じレベルと思っていた。しかし、実際に来てみると、日本の建築は芸術的、文化的に高度で、さらに都会だけではなく日本中、どこに行っても文化のレベルが高かったのである。これは大きな意味を持っている。 だが、日本人は高度成長で高層ビルを建てるのが最先端と思い込み、先人たちの文化を忘れたのである。
 合掌集落が世界遺産に登録される前、ユネスコの人たちを案内したことがある。そのときに、彼らは高度成長以後に造られた町並みには見向きもしない。時には「汚い」とさえ言った。当初、指定は白川郷だけの予定だったが、合掌造りの家が不自然な並びをしていて、観光用に整備されたことが一目で分かったのだろう。そこで五箇山の相倉と菅沼合掌集落が加わったのである。
 私は外国から来た人を案内する場合、一日コースなら、まず内山邸。それから高岡の金屋町へ連れて行く。そうすると、「素晴らしい」と言って、シャッターを切り続ける。土蔵の町並みでは室内も見てもらう。すると、工夫された空間に驚き、異文化への感動があるようだ。そのあとに瑞龍寺を見てもらう。中に入るにしたがって開けてくる建築美には、感動を呼ぶ演出がある。それはある意味、「おもてなしの心」と言っていい。
 井波の彫刻では100本以上の鑿(のみ)を使っていることに感動し、そのあと裏手の閑乗寺山から散居村を見てもらう。田んぼに水が張ってあるときは屋敷林を持つ家々が島のように見え、刈り取りの時には黄金色の中に緑の島が浮かぶ。日本の原風景である。
 さらに井波から城端へ。町並みを見てもらったあと曳山会館へ行く。これは動く工芸品であり、これを造れるだけの伝統技術があるということを証明している。高岡の御車山を代表に富山県にはこうした曳山文化が数多くある。
 ついで五箇山へ。相倉、菅沼の合掌集落とも、まずは高いところから見てもらう。昔ながらの道から降りてもらい、林の中から視界が広がるという演出である。一挙に見せるのではなく、小出しにする。その流れが大事なのだ。
 立山黒部も世界遺産を目指しているが、こちらは自然遺産としてだけでなく歴史遺産としても価値がある。前立社壇と言われる岩峅の雄山神社、さらに芦峅の宿坊。かつては全国から参詣者が集まりにぎわった。そうした町並みを復活させ、いろいろな知識を得てから登拝するのもいい。
 一方、富山県は海沿いに素晴らしい建物が多い。氷見市には巨大な家がある。明治以降の網元の家で10軒ぐらいある。何の指定も受けていないため、観光用に開放しているわけではないが、これは宝物だ。海岸には網蔵、船小屋が残っている。それらをうまく活用すれば、氷見に来たのだなと実感できるものになるだろう。
 北前船で栄えた伏木、新湊、滑川、生地などにも古い町並みが残っている。これは大変素晴らしい。朝日町の境も海からの強風を避けるための独特な町並みを形成している。
 高度成長で日本の町並みは変わった。当時は、「よかれと思って」やったことだが、外観をサッシやトタン、鉄板など新建材で覆い尽くした。本来のよさが半分になったと言っていい。これらを外すと、素晴らしい町並みになるのは言うまでもない。県内各地に残っている、こうした「原石」を磨くべきだ。
 原石はたくさんある。散居村にしても砺波が有名だが、私が住んでいる富山市の月岡でも、そそり立つ立山連峰をバックに、多くの家が散居のスタイルとなっている。さらに、道端で地蔵などが納められている祠(ほこら)も、すごい。富山県はナンバーワンだろう。灰小屋や石垣も優れている。こうした「自分たちの町の宝はすごいものだ」という意識が重要だ。全国にPRしていってほしい。


第2部 パネルディスカッション(14時30分−16時)
コーディネーター 前川直行・ジェトロ対日投資・ビジネス・サポート・センター課長代理
パネラー 篠原康弘・国土交通省総合政策局国際観光課長
森雅志・富山市長
藤木俊光・富山県商工労働部長
上野幸夫・富山国際職藝学院教授           
松原吉隆・未来観光戦略会議会長
   前川 与えられた課題ごとに、議論を展開していきたい。まずは外国の旅行会社を活用せよということから。ニセコにオーストラリアからの観光客がたくさん来ていることは、よく知られるようになった。旅行会社も数社が進出している。福岡には韓国の旅行社が観光バスを運行する会社を設立した。こうした動きを踏まえながら、先ほど篠原課長の話にあった外国の旅行会社やメディアの活用について、さらに詳しく聞かせてもらいたい。
 篠原 外国の旅行会社と組むのはいいことだ。たとえば、台湾、中国、韓国の観光客は電化製品を欲しがる。そのときに、人々が何を求め、財布の中身がどれくらいか分かる人がいるべきだろう。たくさんの外国人を招くには外国の旅行会社とよく付き合うことが、これからの切り口になる。
 藤木 本県では立山黒部アルペンルートに多くの外国人が訪れている。これまでは春先の雪の大谷の時期にたくさん来られたが、「紅葉シーズンもいい」とPRしたら、台湾から秋に訪れる観光客は倍ぐらいになった。まだまだ発信すべきものがあるということである。未来戦略アクションプランでは、東海北陸道の全通、北陸新幹線の開業を控え、広域的な観光を進めていくことも狙っている。感動、おもてなしのまちづくりを進めるなかで、文化・生活を知ってもらいたい。
   飛騨市、南砺市、富山市の3市で、外国の記者を呼んで視察してもらっている。暖冬でスキー客は何組もキャンセルになって残念だったが、ゴルフなどに来てもらった。外国語表記のサイン(表示)なども積極的に進めたい。また、韓国人を任期つきで採用し、誘客を進めている。
 松原 これからの観光戦略として3つのことを申しあげたい。一つは県の魅力づくり、二つ目はネットワーク、三つ目がブランドづくりだ。微力な団体だが、貢献していきたい。国内では、絵と物語になるまちづくりとして、人気あるベストセラー作家をお呼びして書いてもらうことを考えている。それが映画になればいい。海外との関係ではスイス、イタリア、フィンランドをつなげていきたい。これらは小さい国だが有名ブランドの国でもある。富山と共通しているのは地場産業、輸出産業、ものづくりと観光に力を入れていることだ。いずれ詳細を発表したい。富山にはノーベル街道もある。これまではイベントに終始しているが、教育観光ツアーも考えたい。そしてフィンランドは学力世界一であるが、富山県でも教育のブランド化することを考えたい。
 上野 私自身、中国、韓国に行って新鮮な感動を覚えるのは、異文化に接したときや、ちょっと日本と似ているものに出会ったときだ。同じようにアジアの人が日本を訪れたときに、そうした感動があるだろう。散居村を見れば同じ風景のようにも見るだろうし、瑞龍寺なども「ちょっと違うが自分たちのものと同じだ」と感じるに違いない。氷見の柳田布尾山古墳も韓国には同様のものがある。また、お茶の文化もおもてなしとして、日本の文化を再発見できるものである。海外に向けてこうした富山のよさを打って出ることだ。
 前川 マーケティングとして、海外の視点で富山を見ていくのは重要なことだ。
 藤木 富山の魅力とは、単なる自然景観だけでなく、おもてなしの心、健康、癒しなどがある。さらに食材だ。これまでは「新鮮なものがあるから人の手を加えずに出すのがいい」とされてきたが、お客さんに合うように手を加えて付加価値をつけるのもいい。また、サービス業はものづくりと相反する言葉ではない。これからは産業観光も重視すべきだ。
 松原 ブランドになるのはやはり、薬膳料理であろう。北前船がもたらした昆布料理もある。しかし、海外の方を迎えるにはフレンチ化やイタリアン化など創作料理を試みることも大事ではないか。ソフト面も大切であり、LOHASがポイントになる。
 上野 職人がいると町が変わる。ものづくりの人、たとえば彫刻、家具、ガラスなどの職人がそこに住んで活動拠点としていくと、町の活性化にもなるし、岩瀬のように富山から発信できる。
 前川 確かに富山県は古民家再生のハブセンターになる可能性があるかもしれない。次に交通機関の話だが、ライトレールは大変好調だ。さらに中心市街地活性化事業の第1号に富山市が採択された。町はどのように変わっていくのか。
    LRTは観光資源として導入したのではないし、移動手段としてだけでもない。車に頼れない人が次第に増えていくことを踏まえ、公共交通によるまちづくりを考えた。郊外から人を運び、中心部ににぎわいを出すことだった。だが、運行してみると、県外から人が来た。結果的に観光資源になったのである。しかし、昼はライトレールを視察し、夜は金沢で泊まることのないようにしたい(笑)。ライトレールもやがて陳腐化していく。岩瀬の修景事業、富岩運河の活用が課題だ。さらに近くにリサイクル工場群のエコタウンもあり、環境教育も含めた方法が必要だろう。さらに言えば、立山へつながる鉄軌道がある。もし、地鉄にライトレールの車輌が乗り入れ出来たら、今は大町側からの入り込みが多いが、それが新幹線経由で富山からのアルペンルートに入るのが多くなるだろう。奥黒部などの最奥地、旧日電歩道、白竜峡など東アジア全体にアピールできるものもある。その移動手段としてもっとLRTを打ち出していかなくてはならないと考えている。
 松原 LRTは富山県を全国的にアピールできた。同時に県内の鉄道遺産もクローズアップされた。山から海につながる鉄軌道は日本一だ。路面電車も3つある。トロリーバスなどオンリーワンの乗り物も多い。鉄軌道と言えば、11月にオーストラリアに行った。車社会だが公共交通も発達している。メルボルンには275キロの鉄軌道網がある。観光客は、昼は無料の電車に乗り、夜はレストランカーで食事をする。鉄軌道そのものが観光資源だ。
 前川 ニセコにはオーストラリアからたくさんの観光客が来ているが、最初はパウダースノーに魅せられた人の口コミだった。そして、言葉の分かる職員を配置し、空港送迎、宿の手配などをすることで、旅慣れた人だけでなく団体でも来られるようになったのだ。オーストラリアの旅行会社も進出しており、観光客と資本の流れがスパイラルで動いている。
 篠原 国交省では3月から観光と投資の研究会を始める。両者は危険な組み合わせと思われていたが、この研究会でよく勉強し、地に足が着いた形で戦略を練りたい。
 藤木 食や伝統文化という資源をブラッシュアップするには、産業として磨いていかなくてはならない。多くの観光客がただゴミを落としていくのではなく、ビジネスとして成り立つようにしていかないとならない。祭りでも地元の持ち出しだけで終わっている。祭りは自分たちが楽しむものと言ってしまえばそれまでだが、これもビジネスとして上手く回さないといけない。外国の企業の方とお付き合いしていないから分からないが、ビジネス化は必要だ。そうした関係をうまくつくっていくには、どうすればいいのか。
 前川 外資との付き合いは確かに難しいところもある。ニセコでもコンドミニアムを造った際に、地元ともめた。歩道に屋根雪を落とさない暗黙の了解が地元にあるが、それが理解されていなかった。そこで、いろいろなことをルール化していった。好き勝手に開発すると観光地として統一もできない。
    観光と投資をどう結び付けていくかがよく分からなかったが、ニセコの例で分かった。しかし、インバウンドの観光客を増やすために外国の資本をどうするかというのは難しい。和倉温泉の加賀屋さんは企業として外国からのお客さんを呼び込んでいるが、国内旅行会社と向こうの旅行会社との交流もあるのだろう。その延長線上に、外国資本との関係をつないでいければいいのかと思う。一方、路面電車の環状化も考えており、移動しやすい環境をつくりたい。さらに薬の富山をアピールして、「10日間滞在で若返りをする」などのコースが考えられる。香港や、中国、台湾の人たちに魅力として映るように質を高めていく。
 前川 和漢薬だけでなくサービスを取り入れていくことは大事だ。最後に、それぞれ一言ずつお願いしたい。
 上野 ネパールにいたことがあるが、現地の人から「今までにないコースを考えてほしい」と言われた。これからはこうした新しい発想のものが増えるのではないか。富山も新しい魅力を打ち出していくことが求められる。
 藤木 富山の魅力をどうアピールするかを考えるとき、外から見た目は大事だ。井の中の蛙ではダメだと痛感している。
    二つのワードが印象に残った。まずインド。ITで発展しているが、富山には工作機械や産業用ロボットのメーカーがある。観光と合わせて考えていきたい。もう一つはお茶。おもてなしということを、みなさまのご支援いただきながら取り組んでいく。
 篠原 観光における国際市場で、中国の発展が著しい。その中で日本の魅力を発信していくためには有機的にやっていく必要がある。
 松原 最後に二つ申し述べたい。一つは北陸新幹線開業後のことである。瑞龍寺には年間20万人の観光客があるが、ほとんどは団体だ。その人たちが町を歩くかと言えば、全く歩かない。これに対し、長野の善光寺は600万人が訪れ、駅まで2キロの商店街がある。ここも歩く人は少なかったが、今は活性化を図っている。二つ目は旅の人から教えてもらうということだ。ブランド価値が分かる人は、富山の価値も分かる。そして、これからは団体客より個人客のほうが長続きする。観光をもっとビジネス化しなくてはならない。例えば感動を与えることが出来る観光ガイドなどプロフェッショナルの養成が必要だ。
 前川 これから日本は人口が減っていく。だから海外から観光客を連れてくることが大事になる。アジア版OECD(経済協力開発機構)の構想も動き出している。富山というブランドをアジア全体の中で、どう築いていくかの視点が大事だ。いま、全国的に富山が注目されており、これを機に選ばれるまちになるよう期待している。


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